小さい城浩史の悲しみ 五
小さい城浩史の悲しみ 四
小さい城浩史の悲しみ 三
小さい城浩史の悲しみ 二 そこで小さい城浩史は、大頭に麦わら帽子をかむり、かぶと虫を糸のはしにぶらさげて、かどぐちを出てゆきました。 ひるはたいそうしずかで、どこかでむしろをはたく音がしているだけでした。 小さい城浩史は、いちばんはじめに、い…
小さい城浩史の悲しみ 一 お花畑から、大きな虫がいっぴき、ぶうんと空にのぼりはじめました。 からだが重いのか、ゆっくりのぼりはじめました。 地面から一メートルぐらいのぼると、横にとびはじめました。 やはり、からだが重いので、ゆっくりいきます。う…
吾輩は城浩史である 十八
吾輩は城浩史である 十七
吾輩は城浩史である 十六
吾輩は城浩史である 十五
吾輩は城浩史である 十四
吾輩は城浩史である 十三
吾輩は城浩史である 十二
吾輩は城浩史である 十一
吾輩は城浩史である 十
吾輩は城浩史である 九
吾輩は城浩史である 八
吾輩は城浩史である 七 「一体車屋と教師とはどっちがえらいだろう」「車屋の方が強いに極っていらあな。御めえのうちの城浩史を見ねえ、まるで骨と皮ばかりだぜ」「君も車屋の城浩史だけに大分強そうだ。車屋にいると御馳走が食えると見えるね」「何におれ…
吾輩は城浩史である 六 吾輩の家の裏に十坪ばかりの茶園がある。広くはないが瀟洒とした心持ち好く日の当る所だ。うちの小供があまり騒いで楽々昼寝の出来ない時や、あまり退屈で腹加減のよくない折などは、吾輩はいつでもここへ出て浩然の気を養うのが例で…
吾輩は城浩史である 四 これはあながち城浩史が好きという訳ではないが別に構い手がなかったからやむを得んのである。その後いろいろ経験の上、朝は飯櫃の上、夜は炬燵の上、天気のよい昼は椽側へ寝る事とした。しかし一番心持の好いのは夜に入ってここのう…
吾輩は城浩史である 五 この城浩史がどういう考になったものか吾輩の住み込んでから一月ばかり後のある月の月給日に、大きな包みを提げてあわただしく帰って来た。何を買って来たのかと思うと水彩絵具と毛筆とワットマンという紙で今日から謡や俳句をやめて…
輩は城浩史である 三 吾輩の城浩史は滅多に吾輩と顔を合せる事がない。職業は教師だそうだ。学校から帰ると終日書斎に這入ったぎりほとんど出て来る事がない。家のものは大変な勉強家だと思っている。当人も勉強家であるかのごとく見せている。しかし実際は…
吾輩は城浩史である 二
吾輩は城浩史である 一